ありがとうオカバー。by店員T

今日でオカバー5周年、そしてわたくし店員T、卒業です。
これまで5年間、オカバーで面白いことをたくさんしてきました。

5年前、特にやることもなくて毎日のように喧嘩と賭博に明け暮れていたわたしを、
ひろってくれたのは店長でした。路地裏で野良猫のようにうずくまっているわたしを、
店長は持ち前の笑顔で諭してくれました。

いろいろ書こうと思っていましたがもう店がはじまってしまっているので、
手短に。以下、大切なことだけ。

オカバーは、なによりも自分たちが楽しんでやろうというコンセプトのもとはじまりました。
パレスサイドホテルの協力のおかげで、お金のことをあまり気にせずに、利潤追求ではなく、
楽しむための場作りに専念できたということが、オカバーの一番の魅力だと思います。
これからも、新しい店員を迎え、これまでどおり、楽しんで運営されてゆきますように。


3・12以降、スピノザ主義者であること

決定的にではないかもしれないけれど、3月12日の東京電力放射能公害事件以降、
この国の、特に飲食業は難しい立場に立たされることになったと思います。
このブログでも非力ながら(結局エビスビールだけですが)、検査をしたり調べたりしてきました。
それはなによりも、自分の手をこれ以上汚したくないという気持ちがあったからです。
率直に言えば、成人の場合、最終的に自分の身を守るのは自分しかいないので、
飲まない・食べないということでオカバーにおいても各自が防衛してもらいたいと思います。
ただやはり、自分の出した飲み物で人が病気になるのは嫌だなという思いはあります。


洛北出版からでている浅野俊哉『スピノザ』を読めば明らかなのですが、
スピノザは<よろこび>にしか関心がありませんでした。
そして、自分と他人の喜びを増大させ、悲しみを減少させ、互いの活動力を増大せよと言いました。

いま、ある行動をとる場合に、スピノザほど役に立つ基準はないと思います。
なぜなら彼は「善/悪」の彼岸にいて、なにが自分と他人にとって「よい/わるい」のか、
考えているからです。

食べて応援する、
東京で生きる、
わたしは留まる、
逃げられない人のために、


これらはいずれも、善悪でいえば善である可能性が高い。
でもその選択が本当に、自分たちにとって「よい」かどうか、身体と精神とを含む自己維持にとって
よいのかわるいのか、考えること。
ようするに、純粋なアナーキストになること。無政府主義であるまえに、自分自身の自由を、
至上の価値として考えること。ただしその判断に他人の<よろこび>も入っていること。

カライモ学校で矢部さんが言っていたように、人はそんなに馬鹿じゃない。
だから留まるという選択にもそれなりの合理性があるのだろうし、その人の選択には意味がある。
でももし、自分が迷ったときは、スピノザ主義者であることを、考えたいと、わたしはそう考えています。

大きな事件の後にはいつも、悲しみの共同体が立ち上がる。
しかしその悲しみを分析し、よろこびの共同体へと変えていける努力、これが必要だと思いました。

ラジオスポンサーに教えてもらって、オルターというグループを知りました。

ここの人に電話で話を聞くと、原発事故依頼、会員がものすごく増えているということでした。
にもかかわらず、安全な食べ物は十分にあって、むしろこれまでなかなか農家からすべてを買い取れなかったので、喜んでいる。本当はもっとみなさんに食べていただきたい、と話されていました。


つまり、安全な食べ物は余っている。
しかしそれを圧倒するくらい、安全でない食べ物が流通しすぎている。
放射能公害を考えるとき、産地偽装を含めて食品流通業者の犯罪性は非常に深刻ですが、
それよりもまずは、自分たちの喜びの食卓を、確保することができるということ、
このことを知り、実践することに、喜びの共同体への可能性が、残されていると思っています。


店員Tは本日をもってOKBを卒業しますが、これからもお客としてたまに来たいと思います。
店長、それから店員のみなさまは、あまり力みすぎず、気楽に、でも真剣に、楽しんでください。
それから毎週のように来て下さったみなさまも、これからもよろしくお願いします。

5年間、ありがとうございました。


店員T拝
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by okabar | 2012-10-04 20:40 | よくぼう
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