ここでグレーバーは、なぜ空飛ぶ自動車や宙に浮くスケボーは現実化していないのかと問うています。前半ではそれにたいしてありそうな仮回答を色々と並べてみてはいますが、要点は後半部、企業的な官僚制が想像的(かつ創造的)な思考を抑圧している、という点にあります。端的にはアカデミアについて述べられた以下の文章に凝縮されています。 “There was a time when academia was society’s refuge for the eccentric, brilliant, and impractical. No longer. It is now the domain of professional self-marketers. As a result, in one of the most bizarre fits of social self-destructiveness in history, we seem to have decided we have no place for our eccentric, brilliant, and impractical citizens. Most languish in their mothers’ basements, at best making the occasional, acute intervention on the Internet.” つまりかつては発明家になり得そうな変人たちの避難所であったアカデミアが、今では自己プロモーションに余念のない商売人の巣窟になってしまったということ、そして追い出された変人たちは親の実家でひきこもりとしてかろうじてインターネットにしがみついているということ、これですわ。 こうした状況をグレーバーは、詩的なテクノロジーが官僚制のテクノロジーへと移行してゆく時代であると捉えています。そしてグレーバーはそれが資本主義が生み出したものであると捉えており、資本主義は自由であり官僚制に相反するといった思い込みを見直す必要があると言っています。 結論部ではこうした状況を必然のものとせず、かつて夢見たテクノロジーを現実化するには、資本主義と官僚制とは別の経済体制を始める必要があること、そしてテクノロジーはすでに生まれている以上、それは官僚制による創造性への抑圧がより少ない世界のどこかで起こるだろうことが述べられていました。 読んでみて思ったのは、グレーバーは少年のようなおっさんなんやな、ということでした。空飛ぶ自動車、ワクワクしますね。ぜひ庶民にも買える価格でお願いしたいですね。
by okabar
| 2021-08-15 10:22
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あんない
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